老剣士総括
老齢剣士の稽古・所感総括
H24年~27年 DVD項目総括(本動画集その2 .0819など)
ご挨拶 (NPO法人会員様へ)
1996年頃「武道学会のひろば」に”21世紀の剣道指導・修養”について取り上げて頂きました。剣道の指導・学び方は人の成長段階に見合った方法・方策が必要と言う考えを示したものです。具体的には、小学校三年から中学二、三年までは”遊びの世界”、高校生から40歳代までを”競技の世界”、最後に競技で培った巧みさやパワーを昇華するための場として”修養・遊芸の世界”として取り組むというものです。
若い時、勝つことに拘り「当てっこ剣道」と批判され続けた田舎剣士が競技の世界から老齢剣士となった今、そのあり方、すなわち”修養・遊芸の世界”について、その一端を作成して置きたいと考えたわけです(NPO法人10周年記念動画その1〜その4)。
因みに、夢多き若者が勝つことに拘ることがそんなに批判されることなのか。勝利を得るためには、少なくとも試合規則に則り高段審判員が勝利を宣言しなければならない。その規則は剣道の有識者・高段剣士が鋭意検討を重ね決めたもので、未熟な若者が決めたものではない。勝たせておいて、批判することは天に唾する事を示し”オカシイクワナイカ”。
稽古所感総括
稽古の心構えは、基本・特性を生かすため”打つ、突く、かわす”を譲ることなく、おこがましいと思われても世阿弥に倣い「残りし花」を目指したものです。
ちなみに、❶若手らとの稽古でしばしば「参りました」と区切りをつけています。このような稽古の仕方によって、若手には「巧くいったいった!という、達成感」が蓄積でき、当方は「欠点」に気付かされ、反省、工夫することにより技術のみならず精神的に向上が期待されると思うわけです。このようなあり方を「師弟同行」の稽古法の一つと捉えたい。❷本モデル剣士を含め八段挑戦剣士の多くは、本来彼らが身に付けてきた巧みな技術・パワー、戦術などについて、この時期封印し、八段合格のため特化した、華法化した心構え、技術などについて練習する事を求められています。関係者は「段位の審査付与基準」の趣旨・内容について再度推敲することが必要と考えています。
剣道が世界に広まっていく時(剣道文化の変容)、日本剣道のあり方、取り組み方についてお考え頂きたいと思うのです。
2015 /6/初旬