コロナ対策体力トレーニング

--体力トレーニングの原則--

一般に体力を向上させる目的で身体(肉体的・精神的)に一定の刺激を与えることを体力トレーニングというが、刺激を与える際にはただ無計画に行えばよいと言うものではなく、次の五原則を踏まえて行うことが必要である。

過負荷の原則

素早い動きは、筋の収縮によってもたらせる。したがって、良い運動成果を得るためには、動きを生み出す筋肉を鍛えることが必要となる。

筋肉はトレーニングによってその筋線維が太くなり、強い筋力が発揮できるようになる。筋が太くなるためには日常生活の中でおこなわれている程度の弱い運動の反復では不十分であり日常生活以上の強度のものが必要である。

2漸進性の原則

過負荷の原則に基づいて体力が向上してくると負荷がしだいに小さくなっていくので(楽になる)、負荷の大きさを増していかなければならない。これを漸進性負荷という。例えば、小学生から中・高・大学生と成長するにしたがって竹刀の重さや長さを変えていくように、体力の向上とともに負荷を増すことが大切である。この原則を無視して、逆に最初から競技者の能力を大きく上回るような負荷では、トレーニングそのものが苦痛になるだけでなく、腰痛や肘痛の原因となり、トレーニング効果は得られない。

3 継続性の原則

少しぐらい風邪や病気をしたところで体力は大幅に減少し歩けなくなるようなことはない。逆に少しぐらい体力トレーニングしたところで、すぐに体力が向上するものではない。俗に“石の上にも三年“と言われるように体力トレーニングは一年中継続的に行うことが重要である。特に夏休みや冬休み、試験中は言うに及ばず、シーズン中といえども体力トレーニングは中断しないで継続しなければ、望ましい体力は期待できない。体力トレーニングは面白味にかけるので、往々にして剣道技術のみに片寄った練習をしがちであるが、この点を十分気を付けなければならない。具体的には週3~4回実施する。週二回は現状維持。

4 個別性の原則

 剣道に限らず、日本人のスポーツにおけるトレーニング様式は、全員一緒でなければ気のすまないところがある。例えば、素振りにしても打ち込みにしても、全員同じリズムで行っているのが現況である(試合直前を除く)。しかし、望ましい体力を安全で能率的、効果的に体得するために各人の特性を考慮して行うことがきわめて大切である。したがって、年齢、性、体力水準、技術水準の違いによってトレーニングの負荷は決定しなければならない。

5 自覚性の原則

 指導者や先輩に無理やりやらされるので無く自ら進んで取り組むことが大切である。

以下に自己の技術・体力水準を知るための方法をご参考までに一つ示します。

この際、傘寿夢剣士も久しぶりにテストを実施してみた。20秒振ることが出来ました。平均18回でした。コロナ明けの稽古でその効果を試してみたいものです。

 

前進後退重素振りテスト(一般・大学生用)

準備するもの

男子800g、女子600gの改良重素振り用竹刀(普通の竹刀に竹片をビニールテープで巻いたもの)

❷ ラインテープを床の上に二本貼る。間隔は40cmとする

❸ ストップウオッチまたは秒単位が計測できる時計

❹ 用意で一方のライン上を右足親指で踏む。

❺ 「ハイ」の合図で打撃者は右足より40cm前にあるラインを送り足で越す(この時必ず左足親指も前のラインを必ず越すことが必要)

20秒で何回振れたかを記録する。二回は測って平均値を求める。

重素振り竹刀を用いたテスト・トレーディング例
重素振り竹刀を用いたテスト・トレーディング例