剣道観
昭和から令和を経て剣道が世界に広まっていく時、再度昭和剣士の剣道観をコンパクトに記してみた。
剣道の理念注)は「人間形成」を醸成する目的で制定され、その理念を達成するために稽古や試合を通じて日本の伝統文化である剣道を正しく継承し伝承していくことであると謳っている。よって傘寿夢剣士は生ある限り、自己の資質を高めてくれる相手と共に試合や稽古を通じ基本、すなわち「打つ、突く、躱す、残心注)」を身に付け、伝えていく事を今も心掛けている。
字句解説
注)理念とは、昭和50年全日本剣道連盟は戦後剣道の普及に伴い指針となる理念を制定した。その理念とは広辞苑によると「根底にある根本的な考え方」
注) 打つとは、踏み込み面(一本打ちの技)のみにあらず、連続打ちを含め約30種類
注) 突くとは、踏み込み突きのみにあらず、突きから面打ちを含め約10種類
注)躱すとは、送り足のみにあらず、開き足など含め約4種類
注)残心とは、身も心も捨てきって打突すると共に、自己研鑽を手助けして頂ける、相手に対する尊敬と思いやりを示す意味がある(夢剣士明示)
尚、剣道愛好家のみならず高段剣士におかれては是非とも内藤常男著「有信館剣道の歴史と文化」並びに富木謙治著「武道論」を紐解き見識更に剣道観を深められんことを老婆心ながら願っています。