若武者二刀に挑戦
----- in金沢----
全日本学生剣道連盟は、昭和63年旧制第四高等学校OB剣士(注下記)らの要請を受け、平成5年公式試合で二刀の使用を許可した。
それ以来、現在まで二刀に取り組む学生は決して多くはない。一つの理由として、高段者、とりわけ剣道界の最高位八段剣士でも二刀を経験したことがないことが挙げられる。また二刀を指導できる指導者は極めて少ないこともある。このような日本剣道界の現状は決して誇れることではない。八段の付与基準(条件)には「剣道の奥義に通暁、成熟し、技量円熟なる者」と謳っているからです。技量というからには、中・上段の構え方・技は勿論、二刀の構えからの技についても円熟さを身につけているものと考えられるからです。
しかるに、たった一人で若き剣士佐藤佑哉(一橋大学剣道部二回生)は、四高の流れを汲む二刀ゆかりの地、金沢に二刀を引っ提げ乗り込んできた。
挑戦振りを拝見したので、その感想と動画を簡単に述べ、示したい。
注) 戦後全日本剣道連盟副会長を務めた大谷一雄、土川元夫、並びに須賀忠二ら四高生は、当時の全国大会(南下戦)で二刀を引っ提げ(須賀)前後四回優勝を成し遂げた。彼らの稽古場は、最近まで八段戦が行われた明治村に保存してある無声堂であった)
拝見感想
十分な指導を受けていないにも関わらず、学生としては、よくぞここまで技量を身に付けたものである。特に、石川県を代表する一人、宮城島剣士との対上段稽古は十分評価できます。それには、全日本剣道連盟発刊の剣道指導の手引き「二刀編」や二刀に関するDVD、関係資料などを漁り熱心に研究、工夫をしたものと推察した。
剣道が世界に広まっていく時に当たり、若き日本剣道後継者が、意欲的に二刀に取り組んでいることに、一人の先達剣士として敬意を表するところです。
対戦相手の剣歴
○ 二刀佐藤対上段宮城島 (剣道五段 金沢大学出身 全日本学生剣道優勝大会並びに選手権大会、国体、都道府県大会、全国教職員大会出場など)
○二刀佐藤対中段奥村 (剣道三段 金沢大学出身 全日本学生剣道選手権大会出場など)